ワクチネーション。

 

ワクチネーション

 ワクチネーションとはワクチンを用いて動物の体に免疫を作らせることによって病気を予防します。ワクチンには弱毒化(病原体の毒性を弱くした)した病原体を用いる生ワクチンと病原体の一部分を用いる不活化ワクチンとに分かれます。生ワクチンは免疫を作る能力は高いのですが、病原性はないとしても一時的に感染を引き起こしますので副作用を起こす可能性が残ります。一方、不活化ワクチンでは感染を引き起こすことはありませんので安全性が高いと言われていますが、免疫を作る能力はやや低くなるのが特徴です。犬で使われるワクチンは生ワクチンと不活化ワクチン、両方ともあります。それぞれの種類によって異なります。
 
また、ワクチンには全ての犬に予防が必要と考えられている病気に対するワクチンをコアワクチンと呼びます。一方で、コアワクチンに追加される形で予防が推奨されるワクチンをノンコアワクチンと呼びます。日本ではイヌジステンパーウィルス、イヌパルボウイルス、イヌアデノウイルス、狂犬病ウィルスに対するワクチンがコアワクチンであると考えられます。コアワクチンはその一頭の予防をするという面に加えて、全ての犬が予防をすることによってその地域での病気の発生を防ぐという面があります。そのため、全ての犬にワクチネーションが必要です。ノンコアワクチンはパラインフルエンザウィルスやレプトスピラなどに対するワクチンです。ノンコアワクチンはうたなくても良いと言うわけではなく、その犬が感染症を起こさないためには必要とされます。

クウ動物病院動物内視鏡医療センターで接種しているワクチン

  •  狂犬病ワクチン
  •  6種混合ワクチン
  •  8種混合ワクチン
  •  10種混合ワクチン

 
狂犬病ワクチンを除いて、どのワクチンを接種するかはその患者さんの生活環境や健康状態によって異なります。獣医師とご相談して決めることになります。

子犬への混合ワクチン接種

8週齢ぐらいで最初の接種を行います。これはブリーダーもしくはペットショップで接種されていることが多いと思われます。その後は3−4週間隔で接種をしていき、14−16週で最終接種(1年目)となります。

健康な成犬への混合ワクチン接種

現在の日本においては多くの場合1年に1度の接種が普及しています。これはメーカーが推奨するプログラムであったり、経験的に行われている方法です。一方で世界的な流れとしてワクチン接種の回数を減らす方向にいっているのも事実ではあります。しかしながらこれはコアワクチン(3種の病原体に対するワクチン)でのプログラムであり、日本で多く用いられているノンコアワクチンを含むものは1年毎などより頻回に接種する必要があるなど、すべてが同じプログラムではありません。またこれは欧米での状況であり、病気の発生頻度や流行状況は異なると考えられます。アジアでのワクチネーションプログラムも作られていますが、まだ日本において検証された方法はありません。

当院ではノンコアワクチン(特にレプトスピラ)を含んだ混合ワクチンの接種においては従来通りの年に1度の接種をお勧めしていますが、体質や健康状態に心配がある場合はコアワクチンに近い少ないワクチンを用いたり、接種間隔を広げる(※1)、抗体検査(※2)などその都度ご相談をさせて頂いています。

老犬へのワクチン接種

老犬であっても健康な場合は成犬として考えます。「老化は病気ではない」とよく言われますが、高齢であっても健康であるのであれば今までと同様にワクチン接種を考えます。老化が問題になる場合はどちらかというと免疫力や体力の低下であり、万が一病原体に曝露(ウィルスなどに接触すること)した際、免疫力低下によって容易に感染をしてしまう可能性が出てしまいます。また、最悪の場合、感染してしまった際に体力の低下によって病気が重症化してしまうなどの問題が出ます。そのため、高齢になったからと言って安易にワクチン接種をやめてしまうのには危険性が出てしまいます。

しかしながら、高齢の犬にワクチンが負担にならないのか?と言う問題を含んでいることも事実です。老犬になるとある程度の持病を持っていることも少なくありません。そんな場合には安易に接種を中止するのではなく、当院では抗体検査をお勧めしています。詳しくは下記(※2)に。

ワクチンアレルギーが出たことのある犬

アレルギーの症状にもよりますが、基本的にはより少ないワクチンに切り替えをお話しています。非常に軽いアレルギーの場合は抗アレルギー剤などを服用した状況で接種することもあります。強いアレルギーが出た場合や飼い主さんがご心配な場合などは下記(※2)の病気を持っている患者さんと同様に接種についてご相談しています。

病気を持っているなど健康状態に問題のある犬(※2)

持病があり治療中であったり、体質などによってずっとお薬を飲んでいるなどの健康状態に心配がある患者さんです。ワクチンの接種に関してリスクがあると判断された場合にはどのように接種プログラムを作るかご相談しています。感染への危険性を考えると安易にワクチネーションをやめることは危険だと考えますが、ワクチンによる体への副作用も考える必要があります。そのような場合には血中の抗体検査をお勧めしています。血液検査によってある病原体に対して充分な防御力(抗体価)があるか検査をすることが可能です。十分に防御力(抗体価)があると判断された場合にはその年のワクチン接種は中止します。その後も定期的に血液検査で抗体価を確認していきます。もし、抗体価は不足=感染症に対する防御力が不足していると判断されてしまった場合にはワクチンの種類や打ち方などご相談をしながら実際に接種するかご相談しています。

ワクチン接種間隔の延長(※1)

世界小動物獣医師会(WSAVA)でのガイドラインではコアワクチンにおいては3年に1度の接種で感染防御が可能であるとしています。そのため、これらのワクチンにおいては3年に1度で十分である可能性はあります。しかし、それはコアワクチンであるとしており、ノンコアワクチン(3週以外)はそれに含まれていません。また、WSAVAのガイドラインにおいてもワクチンの接種の有無に関わらずその時期に動物病院に来院し、健康管理(とワクチン接種に関して)において獣医師と相談すべきであるとしています。

当院でも必要な場合、充分な感染防御能力があると判断される場合には接種間隔を延長しますが、飼い主さんの判断で間隔を延長することは避けて頂ける様お願いしています。実際に全ての犬において抗体価(防御能力)が持つわけではなく20−30%の犬では充分な抗体価が維持出来ていないという報告もあります。全てはその患者さん毎に状況は異なりますので獣医師にご相談ください。

ワクチン接種に関して当院からのお願い

  •  接種後の様子が見られるようにお時間に余裕がある時間にご来院ください
  •  午前中の接種をお勧めしています(その後の対応)
  •  心配なことは何でもご相談ください
  •  ワクチネーションプログラムはいつでも変更出来ます

健康管理の必要性

世界小動物獣医師会(WSAVA)をはじめ、欧米の獣医師会を中心にいくつかの獣医師たちはワクチネーションプログラムにおいて接種間隔を延長するなどの提言(ガイドライン)を行っています。しかしながらそのガイドラインでは決してワクチンを打たなくて良いと提言しているわけではなく、単純なワクチン接種のみに頼る健康管理をやめましょうと提案しています。ワクチネーションプログラムに関わらず、決まった期間に動物病院にいくことによって獣医師の診断を受ける必要はあります。定期的な健康管理を通して動物の健康を維持するように努めるべきだという考えに我々は同調しています。

 

ワクチン接種は必要です
基本は定期的な接種が必要です
ワクチンには種類があります


クウ動物内視鏡医療センターへご相談ください

 
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